このような訪問先へ歯科往診可能
居宅療養管理指導とは
簡単に言えば、歯科医師が行なう医学管理上の指導、歯科衛生士が行なう口腔ケア等にかかわる実地指導です
"居宅"とはご自宅、グループホームや老人ホームなどの介護施設を指し、それらの訪問先で算定されるものです
逆に居宅とは扱われない病院・特別養護老人ホーム・老人保健施設などにおいての訪問診療では算定されません
この算定は介護保険を利用されている方について行われるものです(介護認定を受けている方の算定は介護保険が優先の原則があり、医療保険ではなく介護保険での算定となります)
訪問歯科を行なう医院の費用の案内などに介護保険の記載があるものはすべてこの居宅療養管理指導のことを指しています
介護を必要としている方の口腔内環境や口腔機能の向上や口腔ケアが重要視されている中で、非常に有意義なサービスではあるものの、なじみの薄い介護サービスであり、理解しづらいサービスでもあります
以下で要点を整理しておきたいと思います
歯科における居宅療養管理指導では
歯科医師が行うものと歯科衛生士が行うものとに分かれています
歯科医師が行うものにおいては
継続的な医学的管理を行い、ケアマネージャーさんに必要な情報等を提供したり、利用者さんやご家族等に対して在宅サービスを利用する上での留意点や介護方法等についての指導や助言を行います
歯科衛生士が行うものにおいては
口腔ケア、義歯清掃、摂食・嚥下機能に関する実地指導を行い、利用者さんやご家族に対してそれにかかわる指導や助言を行ないます
歯科医師が行う居宅療養管理指導は
1人1回につき 517円
1人1回につき 487円
1人1回につき 441円
<月の算定上限回数は2回です>
歯科衛生士が行う居宅療養管理指導は
1人1回につき 362円
1人1回につき 326円
1人1回につき 295円
<月の算定上限回数は4回です>
ただし、悪性腫瘍などで緩和ケアを受けている方については月の算定上限回数は6回となりますつまり、かかる費用は
1割負担の場合、歯科医師分と歯科衛生士分合わせて最大でも月2482円ということになります(緩和ケアを受けている方の上限は3206円)
→ 医療分を含めた費用の詳しいご案内
→ 他訪問歯科との重複算定について
情報提供が必須です
歯科医師が行なう居宅療養管理指導については、平成24年4月の改正からケアマネージャーさんへの情報提供が算定要件となりましたので、情報提供なしでは居宅療養管理指導の算定ができません
情報の提供方法はサービス担当者会議への出席が望ましいとされてはいますが、診療で多忙な歯科医師が出席するのは現実的ではなく、実際は文書による提供が多いと思われます
*ちなみにわたしたちは・・・
診療のたびに専用システムからFAX・Eメール・ショートメールにてケアマネージャーさんに情報提供させていただいています。
提供する情報や提供の方法について → 情報提供と担当者会議
言うまでもなく、居宅療養管理指導は「介護サービス」ですので・・・
「重要事項説明書」の提供が必要です
利用者様に対して必ず歯科医院のサービス提供体制などを記載した重要事項説明書を提供のうえ、説明を行わなくてはなりません
*ちなみにわたしたちは・・・
初回の訪問の際、重要事項説明書をお渡ししてサービス提供同意のご署名をいただくようにしています
→ 使用している重要事項説明書(サンプル)
限度額の心配は無用です
居宅療養管理指導はケアプランとの直接の関係がない独立した介護サービスで、給付管理(支給限度額管理)の対象外となっているため限度額の心配は無用です(給付管理票の記載も必要ありません)
ケアプランにくみ入れていなくとも法定代理受領(自己負担分を現物支給で負担)が可能で介護報酬の請求は歯科医院から直接国保連合会へ行われます。
つまり・・・
居宅療養管理指導は居宅サービス計画書への位置付けの必要がないサービスであり、必ずしもケアプランに含める必要はありません
ここ数年、この「位置づけが必要か否か」ということに対して
解釈が揺らぎ、必要性について戸惑いを持たれる事業者さまも増えているような傾向があるように思います
このトピックについて、解釈や根拠の詳細な説明を以下のページに載せていますのでぜひご一読ください
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【追記】
要支援の方を対象にしたものは介護予防居宅療養管理指導です(同様のサービス内容)
ただし、介護予防・日常生活支援総合事業の事業対象者である場合は介護予防居宅療養管理指導を利用することはできません