このような訪問先へ歯科往診可能
訪問歯科ではご高齢の方の受診が多く、必然的に義歯(入れ歯)の治療も多くなります。
入院などをきっかけに体重が落ち、同時に口の中も痩せてしまって義歯が合わなくなるといったケースもよくお聞きします
入れ歯の調整はもちろん、修理や作成も行うことができます。
通院して受けられるのと同様の治療を往診でも行うため、入れ歯を削る機械、義歯の適合状態を確認するための薬剤、適合状態を向上させるための義歯の内面に張る材料、噛みあわせを確認するための道具、型を取るための器具や材料などすべて準備したうえでおうかがいしています
応急的な処置ではなく、歯科医院で受けられる治療と同様にしっかりとした処置を行うことができます
義歯を削ったり研磨したりするマイクロモーターは、訪問歯科専用のものがあります。
本体はポケットに入ってしまうほどの大きさのもので、しかも充電式です。
訪問先でも簡単に義歯を削って調整することができます。
歯肉に強く当たっている個所があれば位置を調べてそこを削ります。
かみ合わせが強く当たっている個所があればバランスを見て削って調整します。
ざらついている個所があれば研磨してなめらかにします。
体調を崩されたり入院されたりして痩せてしまうとお口の中も痩せてしまって義歯が合わなくなり、外れやすくなったりお痛みが出たりというケース、訪問歯科では特に多く見られます。
そのように痩せてしまって義歯と歯肉の間に隙間ができて適合状態が悪くなった場合などであっても、専用の材料で裏打ちをして隙間を埋める処置も可能です。
義歯が欠けたり、真っ二つに割れてしまったりしても1回で修理できることも少なくありません。
義歯が合わなくなったり破損したりすると、義歯を作り直さなくてはならないのでは?と思われる方も多いですが、(義歯を新たに作り直すことも可能ですが)作るとなると1か月以上かかってしまいます。
あらゆるケースに対応できるように器具や材料は準備していますので、状況に応じて調整や修理など迅速な対応が可能です
お使いの入れ歯の調子が極端に悪かったり、欠損歯があり入れ歯を必要とされるような状況であれば新たに入れ歯をお作りすることもできます。もちろんすべての工程をご自宅など訪問先で行うことが可能です。
お身体が不自由であったりしてもベッドで寝たままの状態(ギャッジアップはさせていただく必要があります)、車いすに乗ったままの状態であってもさしつかえはありません。
一般的な義歯の作成過程は以下のような形で進めていきます
1.型取り(おおまかなもの)
既製のトレーに材料を盛り、それをお口の中に入れて固まるまで数分待ちます。
右の写真が型取りを終えたものです。
2.型取り(精密なもの)
右の写真が最初の型取りによって出来上がった個人用のトレー。
これで再度型取りを行うことで、より精密にお口の中の形状が再現できます。
3.咬合採得(噛みあわせの確認)
型取りによって出来上がったろう義歯(歯の部分がろうでできています)を装着していただき、歯の高さなどの位置決めを行います
4.試適(完成前の最終確認)
ほぼ完成形の形をした義歯ができあがり、それを実際装着していただき不具合などがないか確認する工程。
服で言う試着です。
5.入れ歯の完成
完成した入れ歯を装着していただいて調整します。
完成してすぐぴったり合うことはまれです。何度か調整を繰り返して入れ歯に馴染んでいただけるようにしていきます。
状況によっては一部の工程が省かれることもありますが、一般的にはこの5回の工程を経て義歯は完成します。
ですので週1回のペースでおうかがいするとすれば、完成までに1月ちょっとかかることになります。
1や2の工程で型取りをしたあと、固まった材料にバイブレーターで振動を与えながら石膏を流し込んでお口の中の模型を作ります。
(写真の状態が石膏を流し終えたところです)
医院へ帰ってから行ってもいいのですが、型取りの材料は時間とともに多少収縮してしまう性質があるため型取りをした直後と微妙に形が変わってしまいます。
より精密さにこだわるためバイブレーターや石膏も訪問先へ持っていき、現場でこの作業を行っています。