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訪問歯科よくある質問
*お申し込みに関すること
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出張してもらえるのは自宅だけですか?
私は診てもらえるの?(訪問歯科の対象者は?)
デイサービス中に治療をしてもらうことは可能ですか?
ショートステイ中に治療をしてもらうことは可能ですか?
小規模多機能型居宅介護のサービス利用中に治療をしてもらうことは可能ですか?
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*診療に関すること
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    【目次】 訪問歯科で行う様々な治療

  1. はじめての訪問歯科受診
  2. 口腔ケア
  3. 義歯の治療
  4. 歯の痛み・虫歯への対処
  5. 差し歯や詰め物が取れた場合
  6. 差し歯や詰め物の作成
  7. グラグラになった歯がある場合
  8. 訪問先ではできない治療




はじめての訪問歯科受診


受診いただく場所

よくお伝えするのですが、ご本人さまの楽なところで受診いただければ大丈夫です
動ける方であれば背もたれのある椅子にお座りいただくといいですし、日ごろ車いすをご利用されている方であれば車いすに座ったままでも大丈夫です
ベッド上で過ごされている方なら寝たままで大丈夫です

(可能であればですが)治療によっては姿勢を変えていただいたりベッドのギャッジアップをしたりもします

特別広い場所が必要なわけではありません
診療機器もコンパクトなものでベッドや車いすの脇に置いて使えるものですのでご心配は不要です

「何を準備すればいいですか?」

初診の際にそう聞いてくださる方もいらっしゃいますが、必要なものはすべて用意していきますので基本的には保険証だけご用意いただければ大丈夫です
必要に応じて洗面所や電源、器具を置くテーブルなどはお借りすることがあるかもしれないので、ご協力いただけると助かります
先生のためにと椅子を用意してくださる方もいらっしゃるのですが、基本的に先生は立ったままで治療しますのでお気遣いは大丈夫です

診療当日は

通常訪問スタッフは歯科医師・歯科衛生士・訪問診療相談員など1〜3名ほどでおうかがいし、診療時間はおおむね30分程度です

ベッド上での歯科治療





口腔ケア


訪問歯科でもっとも多い処置が口腔ケアです

要介護の高齢者の方はどうしてもお口の中のことがおろそかになりがちで、口腔ケアが不足して衛生状態が悪化している方が非常に多くいらっしゃいます

認知症、糖尿病、心疾患など様々な全身疾患との関連が指摘されている歯周病や、年間死者が4万人以上で日本人の死亡原因の第6位を占める(厚労省の2019年人口動態統計)誤嚥性肺炎のリスクを下げるためにも適切な口腔ケアは重要です

ご自身でケアができる方ならまだしも、介護者の介入が必要なケースでは特にですが、口腔ケアの重要性を理解されていてもなかなかそこまで目を向けることができなかったり適切な口腔ケアができていなかったりという方は少なくありません


口腔ケア


訪問歯科でおうかがいする中で、歯科医師や歯科衛生士が定期的に口腔ケアを実施します

「歯や入れ歯の痛みや不具合などの訴えはないのですが、口腔ケアだけでも訪問歯科を利用できますか?」というご質問はよくいただきますが、
口腔ケアのみでおうかがいさせていただいている方もたくさんいらっしゃいます

歯や入れ歯の不具合で訪問させていただいていても、その治療がひと通り終了したあとで口腔ケアの必要性が認められる方であれば、その後の経過観察も兼ねて定期的に口腔ケアにおうかがいさせていただいているケースもあります
衛生状態が悪化していたり歯肉に炎症があったりする場合には毎週おうかがいさせていただく方もおられますし、状態が落ち着けば訪問頻度を下げて1〜3か月ごとにおうかがいするようにしたりすることもあります

その方のお身体の状況、口腔内の状態に合わせて適切な道具は違います
特に訪問歯科で診せていただく患者さまの場合、特別な配慮が必要な方も多いので歯ブラシや歯間ブラシといった通常の口腔ケアで使うもの以外の専門的な道具を使う必要があることも少なくありません


歯石が付着している方も多いです 歯石除去


訪問歯科の患者さまには、長期間歯科受診できていなかったためにかなり歯石がたまってしまっている状況もよく見られます
歯石は細菌の温床となるため、そのままにしておくとむし歯菌や歯周病菌を増殖させるだけでなく、口臭の発生にもつながります

歯石はポータブルユニットのスケーラーを用いて機械的に除去します(水を出しながら歯石を除去することになりますので、誤嚥のリスクが高い方などは手用の器具を使って除去することもあります)




義歯の治療


こちらをご覧ください → 入れ歯の治療について




歯の痛み・虫歯への対処


お痛みがあれば原因を診査します

ポータブルレントゲン
目視で異常がないか確認したり、器具で歯を叩いたり(打診)、レントゲンを撮影したりといった方法で診査します

使う頻度はそこまで多くはないものの、レントゲンは訪問歯科でも欠かせない診療機器のひとつです

お痛みの原因として多いのは、義歯が歯肉に当たってお痛みが出ている場合、歯肉が炎症を起こしてお痛みが出ている場合、虫歯や歯根が原因でお痛みが出ている場合です
歯科で痛みと聞くと虫歯を想像される方が多いと思いますが、訪問歯科では義歯や歯肉に問題があってお痛みが出ている患者さまのほうがむしろ多いです


虫歯がある場合

初期の小さな虫歯であれば、虫歯となった部分を削ってそこに白い樹脂を詰めて綺麗に研磨する処置(たいてい1回で終わります)、あるいは樹脂を詰めるのではなく型取りをして金属などの詰め物を入れる処置(最低2回の処置)を行うのが一般的です

大きな虫歯で神経にまで達しているような場合には歯を削って神経を取る処置が必要になります
神経を除去した後、神経が入っていた管の中を洗浄消毒する処置を何回か繰り返し、最終的にその歯にはかぶせ物を作ることで差し歯として残せることになります(最低でも5回以上の処置が必要で長期間の治療が必要になります)

歯の形状をとどめないほど虫歯が進んでしまった歯については、多くの場合抜歯となります
抜歯により欠損箇所となった部分は、入れ歯やブリッジで補完する方法もあります

虫歯の治療では、ほとんどの場合においては歯を削る必要があります
ですので訪問先で治療する場合には専用の機材(ポータブルユニット)が必ず必要になります
(通常器具のみで行う抜歯であっても、状況によっては必要となる場合もあります)

歯を削る

もちろん、お痛みを伴う処置の場合には麻酔をします
また、必要であれば治療後にお薬も処方します


上記の治療はあくまで一般的なご説明です
虫歯の処置は高齢者や介護を受けておられる方にとってはご負担が大きいこともあります
お身体への負担、お痛みなどの訴えの有無、生活状況などを総合的に考えると治療せず応急的な処置のみでそのまま様子を見るという選択肢が取られることも訪問歯科では少なくありません

常道イコール最善とは限らないのが訪問歯科の難しいところです





差し歯や詰め物が取れた場合

差し歯脱離

取れたものを元通り付けることができる場合

残った歯(根)がしっかりしている場合には、取れたものを専用の接着剤で元通りに接着することができます
取れた差し歯や詰め物の接着する個所はポータブルユニットのスケーラーで綺麗にしてしっかり接着できるようにしたうえで接着します
ただし、一度取れた差し歯は取れやすいので、付けても再度取れてしまう可能性もあります


取れたものを元通り付けることができない場合

残った歯(根)がしっかりしているが、取れたものがなくなっている場合や取れたものに問題があって元通りにすることができない場合
状況的に可能であれば差し歯や詰め物を作り直すこともできます(差し歯や詰め物の作成は次項参照)

残った歯(根)に虫歯があったり、歯周病で動揺が見られたりするなどで、取れたものを元通りにすることができない場合
虫歯治療など必要な処置を行うことで差し歯や詰め物を作り直すことができる状態になれば作り直すこともありますが(差し歯や詰め物の作成は次項参照)、差し歯や詰め物を作り直すことも難しい場合には、代わりに入れ歯やブリッジで補完する方法もあります
取れた差し歯が入れ歯の支えになっていた歯であった場合には(入れ歯を外す際に差し歯が取れてしまうケースは多いです)、入れ歯の方に歯を付け足す修理をしたりもします

ただ、虫歯の処置と同様、差し歯や詰め物を作り直すことも高齢者や介護を受けておられる方にとってはご負担が大きいことがあります(歯を削ったり型取りをしたりする必要があるので)
必ずしも作り直しが最善とはならないケースもあります





差し歯や詰め物の作成


訪問歯科でも差し歯や詰め物の作成は可能です

残った歯(根)を削って形を整えたりし、型取りをしたりする必要があるので比較的大掛かりな処置になります
差し歯
差し歯については、残った歯根を削って型を取り金属などの土台を立てたあと、さらに削って型を取りそこににかぶせ物をかぶせるという工程となり、最低でも3〜4回の治療が必要です

詰め物については、歯を削り型を取り、できあがった詰め物をセットするという工程となり、最低でも2回の治療が必要です


やはり差し歯や詰め物の作成についても、訪問先で治療する場合には専用の機材(ポータブルユニット)が必ず必要になります
歯を削る





グラグラになった歯がある場合


そのままにして様子を見ることも多いです

歯周病が進んだりして動揺している歯があるというケース、訪問歯科では特に良く見られます
グラついた歯を治すことは難しいので、動揺が大きい場合は積極的に治療するとすれば抜歯になってしまいます
ですが、高齢者や介護を受けておられる方に対して、ご負担も大きい抜歯は慎重にならざるを得ないので、そのままにして様子を見ることも少なくありません


訪問歯科でも必要であれば抜歯も可能です

グラつきがかなり進んだり、動揺していることによってお痛みが出ていたりすれば抜歯することもあります
(ただし訪問先での抜歯はリスクが高いと判断した場合には近隣の口腔外科での実施をお勧めすることもあります)

抜歯

抜歯する場合には常用されているお薬を確認し、抗凝固剤など抜歯に影響があるお薬を内服されていれば、主治医の先生に対診をさせていただいたり、休薬いただいたうえで実施したりすることもあります(侵襲が少なくリスクが高くないケースなどでは対診せずに実施する場合も多いです)

ビスホスホネート製剤(骨粗鬆症の薬剤)を内服、注射、点滴されている場合、外科的処置を行うと「顎骨壊死」を起こすことがまれにあります
顎骨壊死が起こると通常は歯肉に隠れている顎の骨が壊死して露出するなど深刻な状態になるおそれがあるため、多くの場合で抜歯は見合わせます

もちろん、抜歯を行う場合には麻酔をします
また、必要であれば治療後にお薬も処方します






訪問先ではできない治療


インプラントや矯正などの特殊な治療

そもそも訪問歯科の患者さまでは必要性に乏しい処置になりますが、インプラントや矯正などの治療は訪問先では行うことができません


困難な抜歯・リスクの高い外科処置

抜歯などの外科処置は訪問先でも可能ですが、訪問歯科では歯科医院のように歯科用のチェア上で治療することができないために頭をしっかりと固定したり、抜歯の部位によっては適切な体勢を取っていただいて処置ができないこともあります
そのような環境により患部の視認に影響が出たり力を集中させることができず、結果的に患者さまにご負担を強いることになります
また、全身状態が低下していて特別な配慮やモニタリングなどが必要な状態では訪問先で外科処置を行うこと自体リスクが高い場合もあります

そもそも抜歯などの外科処置自体、訪問歯科を受診される方に対して適用の可否は慎重に判断されるものですが、困難な抜歯やリスクの高い外科処置などは訪問先で実施できないこともあります(それでも必要性がある場合には近隣の口腔外科などでの受診をお勧めすることもあります)





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