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居宅療養管理指導 他歯科との重複算定

歯科医療機関向けblog 往診の作法。

ご存知の通り、居宅療養管理指導は上限の算定回数が定められています。
歯科医師分が月に2回まで、歯科衛生士分が月に4回までです。
(ただし、令和6年の点数改正で、悪性腫瘍などで緩和ケアを受けている方についての歯科衛生士分の月の算定上限回数は6回までとなりました)

居宅療養管理指導の算定上限はレセコンで制御されているので、この上限を超えて算定してしまったという間違いはおそらくどこの医院でもないのではないでしょうか。

しかしです。

意図せずこの上限回数を超えてしまうことがあります。

そうです、患者さまが同月に別の訪問歯科に受診されていてそこで居宅療養管理指導を算定されていたケースです。
このケースではさすがのレセコンの神通力も及びません。

非常にまれですが、起こる可能性はあります。
ですが正直、気を付けようがありません。

患者さまが他の歯科で受診されていたという情報を得れば、その可能性に思い至ることはできるかもしれませんが、自医院の受診のあとで他の医院で受診された場合などはその情報がもたらされることは少ないでしょう。
よほど博識でしっかりされているケアマネさんであれば重複算定の可能性を注意喚起いただける可能性はあるかもしれませんが、そもそも居宅療養管理指導の十分な知識がないケアマネさんも多いですし、利用者さまの歯科受診を把握できていないこともあるかもしれません(歯科側が情報提供書をしっかり提供していれば把握できると思いますが)

「避けようがない」に近いのかなぁと思います。

この重複算定が起こると、「地雷じゃん」と言いたくなるほどまあまあ面倒です。
実は私のかかわる訪問歯科で2度ほど起こった記憶があります。

直近では昨年発生したのですが、
このときは、市の高齢福祉課からある患者さまについて歯科医師分の居宅療養管理指導の重複算定があった旨の連絡が入りました。しかもなぜか医院にではなく担当ケアマネ―ジャーさんに連絡が入りました。しかもなぜか算定日から半年以上たってからの連絡でした。

市がケアマネさんに言った要旨としては、どちらかの歯科医院に算定の取り下げをしてもらってくださいとのこと。
こういった重複算定があれば、やはりいずれかの医院が算定の「取り下げ」をしないといけないようです。

ケアマネさんは居宅療養管理指導の算定上限のことも理解されている方だったのですが、その患者さまの居宅療養管理指導の算定については、もう一方の歯科(以下A歯科医院)が情報提供書を提供していなかったために、当方の分しか把握できていなかったとのことで、そのためにケアマネさんも重複に気づけなかったとのことでした。
そういった経緯もあってケアマネさんはA歯科医院の方へ取り下げをお願いしたものの難色を示されて、こちらの医院(窓口である私)へ相談の電話が入り、われわれもその顛末を知ることになったのです(ケアマネさんはとても責任感の強い方で、市からの無茶振りです~と言いながらも矢面に立って対応してくださっていたようでした)


このケースは、結論から言うとA歯科医院が取り下げることになり幕引きとなりました。

こちらとしては、日ごろからとてもお世話になっているケアマネさんが矢面に立って対応していただいているのもあって、院長先生ともこちらが取り下げようかという話をしていたのですが、その間に話は進んでいて市側から「両者の医院で直接話し合ってもらって」と言いだしたようで、それを聞いたA歯科医院が取り下げる意向を示したとのこと。
そんなので直接話し合うなんて誰だってイヤですよね、不穏な空気になっちゃいますもん・・・。


ちなみに、取り下げる手続きも面倒。
取り下げ依頼書を記入して送付し、取り下げが完了したらその分の算定金額は別の月の請求額から相殺されます。
さらに、取り下げた月の算定額の一部のみ取り下げる場合であってもいったん全額分取り下げて、取り下げ完了後に残りの一部の再請求をあらためて行う必要があるそう。  

もう色々カオスでした笑



そしてこのトピックに関して小ネタを。

この話とは別の件で、何年も前ですが重複算定がありました。
そのときは医院にその旨の連絡が役所から入りました。
そのときは院長が対応して、「こちらが取り下げます」となりました。
ですがそのときは取り下げ依頼書の記載も送付も忘れてしまっていたのですが、結局お咎めなし。

なんなんでしょうか笑


というか、こういう制度自体どうなんだろう。。。
そんなに頻繁に起こることでもないのだから、いっそ別の医院での重複算定くらい許容するようにしたらいいのでは?

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