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箱 ~持っていく診療道具の収納~

訪問診療では外来とは異なり、チェアがあるわけではないですし、器具類も訪問先へ持って行く必要があります。特に在宅などでは極端に狭かったり器具などを置くテーブルがなかったりと、診療を行う環境としてはかなり厳しい状況で治療を行わなければいけない状況もあったりします。

そんな中で、できる限り治療の環境を整えられるように工夫する必要があります。

器具類を持ち運ぶための収納箱についても、診療環境を整えるうえで重要なアイテムではないでしょうか。
効率的に器具などを出し入れすることができ、かつ運搬もしやすいものをということになろうかと思いますが、どんなボックスが望ましいでしょうか?


かなり以前に、私が訪問歯科の仕事を始めて間もないころ、当時の医院で使っていたのは写真のようなプラスチック製のコンテナボックスでした。

これは収納力についてはかなりあっていいのです。さらに上面が平らなのでテーブル代わりにもなるので、こういうタイプを使用している医院も多いのではないでしょうか。
ですがこのタイプのボックスには問題がありました。
在宅などで器具を置くスペースが少ないときなどは特に、上面に器具を置いて作業することが多くなるのですが、治療の途中でこのボックスの中にある器具や材料を取り出したいときに非常に面倒なのです。
中のものを取り出すためにいちいち器具が載った上蓋を持ちあげなければならないのです。しかも結構深い箱なので下の方に入っているものを取り出すときなどはかなり面倒なのです。


この非効率さに辟易して、今では別のボックスを使っています。

コレです。

わかりますか?引き出しタイプのボックスです。
これなら物を取り出すのに上蓋を開けなくても、引き出しを開けるだけでOKなのです。上の平面部に器具などが載っていてもまったく問題ありません。
しかも同じボックスを重ねて使えば高さのあるテーブルとして使えますし、横に並べて置けば広いテーブルとして使えます。
ただ、少しだけDIYしてあります。そう、持ち手を付けてあるんです。

このボックスはどこのホームセンターでも手に入るものですが、当然持ち手なんて付いていないのでそのままだと運搬時に困るのです。
ホームセンターに売っている切り売りの布バンドとねじを買ってきて少し加工して取れないように付けてあります。

価格も安いですし、簡単な加工だけで使いやすくなり、とても重宝しています。
ボックスは同じものを3つ、ボックスによって入れる物の種類を分けています(たとえば、義歯調整関係、印象関係、基本の器具関係などという具合に・・・)
箱が同じで分かりにくければ色付きの目印を付けたりすれば分かりやすいでしょう(うちではボックスによって持ち手の色を変えています)

ただし、ひとつだけ注意しなくてはならないことがあります。
運搬時に前に傾けてしまうと、意図せず引き出しが開いてしまい、中のものをぶっちゃけてしまうことがあるのでその点に十分注意しなくてはなりません。
中のものをすべてぶっちゃける様は地獄絵図です笑

そのリスクを差し引いて余りあるほどの便利なボックスなのでずっと使っていますし、ボックスによって引き出しが開きやすいものとそうでないものもある気がするので、こういうタイプのボックスを買われる場合にはその辺にも気を使って選ぶといいかと思います。


これはあくまで yui の訪問診療での工夫です。


訪問診療の現場では、いかに効率よく治療を進めるかが非常に重要ですが、そのためには「何を持っていくのか」も重要ですし、「どこに何を収納しておくか」も適当に考えてしまうと現場で困ることになります。これは想像以上に大事なことです。
しかも、効率的な治療という観点以外にも、「車にスッキリ積める」「訪問スタッフで手分けして無理なく運べる」「衛生的に問題がない」「よく行く訪問先の環境」「多い治療内容」といった観点にも目を向けて持っていくものや収納を工夫する必要があります。
具体的には、車の荷台の大きさ、訪問スタッフの人数(男女の人数)、訪問先が在宅が多いのか施設が多いのか、ケアが多いのか治療も多いのか・・・なども踏まえて考えなければなりません。
たとえば、1つの箱に収納した器具である程度の治療に対応できるようにと色々詰めてしまうと、重すぎて女性スタッフなどは持ち運びづらいというように、こっちを立てればあっちが立たずといったことも出てきたりします。
これは地味に奥が深い課題だなとよく感じます。

そこそこ治療もあって、人数もそれなりに診るという訪問診療の場合なら、箱2、3個と買い物かごでそれに入りきらないものは別に袋などで持っていくという感じが一番適切かなとは思います。

ちなみに yui の訪問では・・・
買い物かごには、グローブ、使用済み器具入れ、ごみ袋等、手指消毒アルコール、紙トレー、薬、文書類
箱①には、使用頻度の高い基本セットなどの器具類、ワッテ等、セメント類
箱②には、義歯調整関連器具
箱③には、印象関連器具
あと、タオルや感染対策用具などは別の袋に入れています。
提携医院によっても多少異なりますが、おおむねこのように収納しています。



新たに訪問診療に取り組もうとされる医院にとって、「何を持っていくのか」や「どこに何を収納しておくか」は悩まれると思います。

たぶん最適解はすぐには得られないと思います。
なので、ひとつアドバイスさせていただくとすれば、走り出してから変えられるようにしましょうということ。
実際に訪問に出て診療数を重ねていくにつれて非効率な点や改善すべき点はたくさん見えてくると思います。
収納に使う箱や小物入れなどは最初は安めのものや要らなくなった紙箱などで対応しつつ、徐々にしっかりしものに変えていくくらいでいいのではないでしょうか。
最初からきっちり揃えてしまうと、あとから変えづらいですよね?

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