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訪問対象範囲についての考え方

ご存じの通り、訪問歯科診療の対象範囲は半径16キロと定められています。
ですが、歯科医院によっては独自に対象範囲を決めて(半径16キロより狭い範囲を対象として)訪問歯科を実施しているところもあると思います。

yui の訪問歯科では半径16キロの対象範囲内であればどこでも訪問しています。
半径16キロは思いのほか広いです。
ですが、訪問歯科を将来にわたって必要以上に広げたくない歯科医院でない限り、対象範囲は16キロめいっぱい使うことをお勧めします。

対象範囲を16キロめいっぱいに設定すると最初はおそらく、
診療時間よりも移動時間の方が長いという状況も生じるかもしれません。
非効率さに辟易することもあるかもしれません。
稼働日が少なかったり、施設などで大勢診療するような訪問先が少なければ特にです。

ですが、
訪問稼働日や訪問先の数が増えるにしたがって、そんな煩悶が徐々に晴れるような転換とマインドチェンジを迎えられるはずです。


スケジュール策定も訪問先が多いほど大変になりますが、訪問先の都合と効率的訪問ルート設定のバランスの取り方は徐々に慣れてくるはずです。
そして、訪問稼働日が3、4日を超えるくらいの時期になる頃が、ひとつの転換期になるでしょう。
自然と効率的なスケジュールを組めるようになってくることに気づくかもしれません。
稼働日が複数に分散されることで、それぞれの訪問日ごとにある程度訪問エリアを集約できるようになってくるからです。
さらに稼働日が増えていくと、効率はもっともっと上がってくるはずです。



そして、訪問先が増えてくるともうひとつ気づいてくることがあります。
その歯科医院にとって、「強いエリアが見えてくる」ことです。
このあたりのエリアは依頼が多いなという地域が必ず出てくるはずです。

面白いのは、自治体によってはまったく依頼がないような地域もあり、あきらかな地域差があるのです。
しかも、その地域差に明確な法則のようなものを見出すことはできません。
創業時、自治体ごとに要介護者の人数を調査したりもしましたが、結果的に受診依頼がその要介護者の人数に比例した形にはなってはいません(あまり意味のない調査になりました)。
医院に近い地域なら依頼は多いだろうという見込みも、楽観的観測となるかもしれません。
必ずしも医院周辺のエリアが強いとなるわけではありません。外来では強力な「近いから」という来院理由は、訪問の患者さんやケアマネさんに対してさほど強いアドバンテージにはならない(弱くはないですが)というのが私の印象です。
訴求活動を重点的に行った地域に依頼が増えるというのも残念ながら絶対とは言えません。

実際、yui の管轄するエリアでもっとも依頼の多いエリアは愛西市周辺(名古屋市西部の郊外)のエリアになります。
この地域はどの提携歯科医院からもかなり離れているエリアになります。
医院からは離れているので行くのに時間はかかりますが、そのエリアに訪問先が点在しているため非効率さを感じることはありません。
また、こういう傾向を掴むことによって強いエリアには訴求活動を強めるなどし、経営資源の「選択と集中」を行うことが可能になるのは大きなメリットです(いくら弱いエリアに訴求活動を強めても、悲しいほどに暖簾に腕押し状態となるのです)
狭いエリアのみを対象に訪問歯科を展開すれば、こういった機会もつかみづらくなり、非常にもったいないと感じるのです。



訪問範囲が広いと最初は大変ですが、
長い目で見れば対象エリアを広く使うことが利益となりうるのです。

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