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訪問歯科のリコールを考える

訪問歯科でのリコール率を高める取り組み、どうされていますか?

yui がかかわる訪問歯科においては、古典的手法ですがリコールはがきも使っていました。
アナログな方法ですが、高齢の患者さんやご家族が多いため、効果的なんじゃないかと思い、終了した在宅患者さまやしばらく受診がない患者さまに対してリコールはがきを送付していました。

ですが、結果としてははかばかしいものではありませんでした。
はがきのクオリティも低かったのかもしれませんが、反応は思いのほか少なく、ほとんど連絡があることがなかったと言ってもいいと思います。

逆に多かった連絡は、「逝去しました」という連絡。
リコールはがきをきっかけに、わざわざお電話下さる方やはがきで不幸をお知らせして下さる方まで。定期健診を受けたいですという連絡とさほど数が変わらないくらいでしたので(逝去していたものの連絡がない方もいらっしゃるはずですし)、さすがにこれは申し訳ないと思い、リコールはがきはやめてしまいました。

このような経緯から、リコールはがきは訪問歯科には馴染まないように感じました。
定期的に健診を受ける意欲みたいなものは、外来の患者さんよりも低いのかもしれません。これは外来とは異なり、受診の判断をされるのが本人ではなく介護に忙殺されるご家族であることも一因なのかなと思います。
口腔内環境も悪化しがちな高齢者の方にとって定期的な受診は大切ではありますが・・・。


ですので、終了患者さんのリコールに関しては、治療がひと段落した時点での定期メンテナンスの提案のみです。ご希望されれば状況に応じて1~6か月おきに往診させていただくという感じです。


少し話が逸れますが、
訪問歯科は圧倒的に 押し売り風情 だと、常々感じます。

だってそうでしょう、外来ならばもう行きたくないと思えば行かなければいいわけですが、往診の場合は気が乗らなくても患者さんの側から能動的に断るということをしなければ歯医者は自動的(?)に来るわけですから。
気づいたら押し売りになってるってこともあるかもしれないと思うのです。
だからこそ、いったん掴んだ患者さんは意地でも離さんというスッポンのような姿勢ではなく、医院側としては常に患者さんの気持ちを推し量る姿勢が必要ですよね。


なので、
定期メンテナンスの提案にしても、半ば強制のような言い方ではなく、「このまま訪問を終了して何かあったら連絡いただく」という選択肢も持っていただけるようにお話しすることも大事かなと。
私たちも、「終了でもいいですし、今後も定期的におうかがいしてもいいですし、どうされたいですか?」というように、必ず選択権を患者さんに渡すようにしています。


リコール率を高めること、つまりは数か月おきの定期メンテナンスの患者さんを多く持っておくことは訪問歯科においてとてもメリットが大きいことだと感じます。
カルテ枚数を増やすというメリットもそうなんですが、効率的な訪問スケジュール調整にとっても大きなメリットになってきます。スケジュールに空きがあればメンテの方を追加し、逆にスケジュールが詰まっていれば別の日に回したりして、日によって患者数の波のないスケジュールを作るための(少し雑に言えば)調整弁ともなりえるわけです。

当たり前ですが、メリットが大きいからと言って押し売りはご法度です。患者さんやご家族の気持ちも斟酌せず、漫然と訪問を続けるようなことをしてしまえば、患者さんの満足度も下がるでしょう。

ですが、口腔内の今の状況を説明したうえで(高齢者の口腔内は何かしら問題をかかえていますよね)終了か定期メンテかの選択を促せば、よほど経済的な事情がない限りお願いされることは多いです。ご家族からすれば、通院しなくても定期的に診てもらえるのは安心なはずですもの。
イエスと言っていただければ、こちらが忘れていない限りリコールを獲得できるのは、再来を促しても来ていただけないことも少なくない外来とは異なるところかもしれません(なのでリコール患者さんの次回診療日などの管理が大切になってきます)。

患者さんの気持ちに配慮しながらメンテナンスも増やしていければベストですね。

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