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訪問歯科の始め方 - 在宅か施設か

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在宅への対応は訪問歯科において重要です
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集患の方向性を

訪問歯科はほんとうに増えました。

私が訪問歯科のお仕事に出会ったのは20年以上前。

名古屋の訪問歯科をネットで検索しても数えるほどしか見つかりませんでした。
施設などで何人診療してもひとりづつ訪問診療1が算定できていました。
当時使っていたオサダさんのユニットはバキュームの吸引のために掃除機を接続するという謎仕様でした。
どこそこの歯医者はタクシーで訪問しているらしいという都市伝説もありました。

懐かしく思い出すにつけ、訪問歯科を取り巻く状況は変わったなとしみじみ思います。


高齢化社会のニッポン。
訪問歯科はまだまだ伸びていくサービス。
訪問歯科をはじめたいという医院も少なくないと思いますが、訪問歯科に取り組む医院は群雄割拠ですのでそれなりの戦略やビジョンは必要です。


訪問歯科では大きく分けて2つの訪問先があります。
ひとつは在宅で、もうひとつは老人ホームや病院などの施設です。

訪問歯科を始めるにあたり、どちらを重点的に集患していくのか方向性を定めておく必要があります。
この2つは集患のアプローチが異なるからです。

どちらにフォーカスし注力していくのかの判断は、医院を取り巻く様々な要素がかかわると思います。


弊社は医療機関ではありませんが、複数の提携医院とともに10年以上前から愛知県西部地域で訪問歯科に取り組んできました。
そんな弊社の例が参考となるかもしれません。

ちなみに、yui の方向性は

上の表は、弊社のある提携医院においての特定期間における訪問先の割合です。
在宅が圧倒的な割合を占めているのがわかると思います。

集患については弊社が主体的に行ってきましたが、弊社訪問歯科の場合は当初から圧倒的に在宅に軸足を置いてきました。
表をご覧いただくと、在宅以外の訪問先もあるのが分かるとは思いますが、その多くは在宅へ訪問していた患者さまが入居・入院したのをきっかけに訪問が始まった施設であり、その施設で1人しか診ていないところも多いので、訪問診療1を算定している割合で言えばもっと高く、9割を超える月もあるほど。

施設への訴求活動は一切行っていません。
つまり弊社訪問歯科は、在宅に軸足を置いているというより完全に在宅に振り切っています。

創業当初から在宅で介護を受けておられる方に寄り添いたいというビジョンを持ち、共通理解を得てもらえた提携医院と協働してきました。


弊社が「在宅を柱に」というビジョンを持つに至った要素をいくつか挙げてみたいと思います。


在宅か施設か ~方向性を定める要素~

思い

弊社が在宅に軸足を置きたいと考えた理由としてはこれが大きいです・・・

濃淡あるとはいえ歯科とのかかわりが一定程度ある施設に比べて、在宅で介護を受けられていて歯科通院が難しいような方々の選択肢として訪問歯科の認知も低く、口腔内の環境の悪化も顕著であるのを目の当たりにしていたそれまでの訪問歯科の経験から、在宅で介護を受けておられる方に寄り添いたいという思いを強く持っていました。

診療同行もしている弊社の訪問歯科において、1件の訪問先でひとりの患者さま(とそのご家族)とじっくり向き合える在宅の訪問に、経営者である私自身が魅力を感じていたということも大きかったです。

(ゆえに「在宅歯科サービス yui 」なのですが)


ビジョンや方向性を定めるのに経営者である院長先生の思いはとても重要です。

コスト

訪問先施設の獲得にはそれなりにコストがかかります。
直接営業を行う訴求活動がもっとも効率的な取り組みとなるため、人件費がかかるからです。

集患の部分でサポートを行う会社に外注するにしてもコストはかかります。

しかし在宅の集患の手段は、施設のように営業活動が最適解とはなりません。


この記事にも書いた通り、在宅の集患は難しいです。
ですが、Webでの訴求をはじめとして施設集患とは異なる(営業活動以外の)工夫の余地があり、人手を必要とせずコストがかからない取り組みでも効果が見込めるものもあります。


弊社の創業時は、投資できるお金はほとんどありませんでした。
ホームページも外注すればそれなりにコストはかかりますが、幸い自社で作成管理を行える状況があったこともあり、在宅の訴求に意識が向くのは必然であったのかもしれません。


弊社のケースのように当初から資金を多く投入できない状況であれば、在宅により重点を置いて徐々に患者さまを増やしていく戦略もいいでしょう。
逆に、訪問歯科開始当初から人件費への投資ができる余裕があるのであれば、マンパワーを施設営業へ向けるということも選択のひとつです。



時間

時間をかけずに患者さまを増やすというタスクを考えれば、施設に圧倒的に分があります。

在宅では、ケアマネさんに興味を持っていただいて紹介をいただけたとしても、一気に2名3名と紹介いただけることなんてまずありません。
ですが施設であれば営業活動の結果、1件獲得すれば何人もの診療をおねがいされることもめずらしくありません。

ひとや設備への投資を早く回収する必要があり、拡大を急ぐ状況があればやはり施設への訪問にも頼らざるを得ないと思います。

弊社の場合は、提携医院も訪問歯科開始にともなう投資は最低限に抑えて稼働日も1日から徐々に増やしていく状況であったので急いで患者数を増やす必要はそこまで高くありませんでした。
ケアマネさんとの接点を増やしながら信頼を得ていき、比較的じっくり在宅の患者さまを増やしていくことができました。

弊社のケースのようにスロースタートで徐々に稼働日を増やせればよいという状況であれば在宅により重点を置いてもいいでしょう。

算定

20年以上前には何人診ても訪問診療1を算定できていた時代もあったと冒頭で書きましたが、点数改正を経るたびに複数人を診療した場合の診療報酬はどんどん下がっていきました。

ご存知の通り先般の改正でも大きな変更があり、診る人数が5名以上の場合では軒並み大きく点数が下げられてしまい、20名以上となると外来と変わらない水準にまで下げられる有様です。

逆に、在宅等で診る人数が1名の場合(訪問診療1)には20分縛りが廃止されました。

つまり、訪問歯科に取り組む医院は、どうあっても在宅訪問にも取り組まざるを得ないような状況ができてきたわけです。

弊社が在宅歯科に取り組みだした当時ではここまで在宅に重きを置かざるを得ない状況ではありませんでしたが、「在宅を取れる医院は強い」という考えは当時から強く持っていました。

今は図らずもこの考えがさらに補強されたような状況になっています。
在宅を取れない医院は淘汰されるとさえ言えます。
少なくとも、施設訪問にだけ依存して訪問歯科を運営していくのは難しいかもしれません。

リスク

経営上のリスクという切り口で言えば、個人的には施設訪問に様々なリスクがあると感じます。

まず、急な訪問キャンセル。
施設では、コロナやインフルエンザの罹患者が出ると施設内でまん延するに至り、部外者の訪問をしばらく禁止する対応が取られることがあり、当然訪問診療もキャンセルとなりその分の時間がぽっかりと空いてしまうことになります。
もちろん在宅でも体調が悪くて急きょキャンセルということはありますが、施設のキャンセルとは受ける影響の度合いが大きく異なります。

継続して訪問していた施設で、先方の都合で訪問歯科医院を別の医院に変更されたり訪問が終了になったりした場合にも同様に影響が大きいです。
もちろん医院側の対応に問題があっての結果という場合もあるかもしれませんが、やはり毎週そこに割いていた時間がぽっかり空いてしまうのはかなり痛い。

コロナ渦当時、施設のみを訪問していた訪問歯科はとても大変な思いをしたと聞きます。
もうコロナ渦のようなことはないとしても、施設に比重を置きすぎてしまうのは適切でない気がします。
リスク分散といった視点からも、在宅もバランスよく獲得する必要があると感じます。

業務負荷

施設が大半を占める訪問歯科では大きな問題にならいと思いますが、
在宅が増えると大変になるのが訪問スケジュールの調整です。

訪問先がほぼ施設のみという医院であれば訪問スケジュール管理の負担はそれほど重くはないかもしれませんが、記事にも書いた通り在宅が増えれば増えるほどに負担は増していきます。
在宅に重きをと考えるのであれば、訪問スケジュールの効率的な管理体制は十分考えておく必要があります。

弊社の場合は、独自に開発したシステム 訪問歯科総合支援ツール HomeClinic を使用してスケジュール管理を行ってきたため負担はそれほど大きくありません。
(現在システムは広く提供していますので、興味がおありであればリンク先をご覧ください)


集金業務も訪問歯科では大きな手間となりますが、施設と在宅では集金の方法が異なる場合があります。

弊社の場合、在宅では訪問時に現金でお支払いいただくことがほとんどですが、施設の場合は各患者さまごとに家族とのやり取りを要求されるケースがあり、そうなると事務処理が大変です。
振り込みであれば、初診時に家族と連絡を取り振込先を確認する必要があります。その都度請求書をお送りして振り込み確認を行い、領収書を送付するといった手間を患者さまごとに行う必要があります。
施設側がまとめて立て替え払いをしてくれることもあり、そういった場合はかなり楽ですが。


ご家族との意思疎通について、
在宅であればご家族も立会いされることが多いので直接コミュニケーションを取れるためスムーズです。
施設ではご家族と直接コミュニケーションを取ることは少ないですが、施設側が一元的に窓口となってくれる場合には負担は少ないですが、直接の報告や連絡を施設側から求められることもあります。
直接お話しできればご家族も安心かもしれませんが、そういった報告や連絡の業務が増えると負担は増してきます。


こういった業務負担への医院としての許容力や対応力を踏まえて方向性を考えてみるのも大切です。

強み

医院としての特徴や強みはどこにあるのか。
それによって施設に重きを置くのか、在宅に重きを置くのか変わってくるかもしれません。

たとえば人的資源を訪問診療にしっかり投入できるなら、
施設訪問にとっての強みになるでしょう。
施設では大勢診療することも多いため人手が必要です。患者さまふたりずつ診療し、院内のように先生と衛生士さんで処置を分けたり、ときには患者さまを診療場所まで誘導するといったことも行うとスムーズに診療が進む場合もあるので何名かの訪問体制を組めることはメリットです。

たとえばコーディネーターなど、訪問診療の窓口となるスタッフが同行できるなら、
施設訪問にとっても在宅訪問にとっても強みになるでしょう。
施設では職員さまなどとの応対(事務的窓口)を担えることで、医院スタッフは診療に集中できます。在宅でも家族との応対に加えて、診療後のケアマネさんなどとの応対をお任せしたりもできるでしょう。

たとえばWebでの訴求に使える強いホームページをお持ちなら、
在宅訪問にとっての強みになるでしょう。
在宅の集患にはホームページが大きな力を発揮します。SEO対策され上位表示されるホームページをお持ちならそれを活かして在宅集患の力とすることもできるはずです。

このような医院としての特徴を踏まえて方向性を考えてみるのも大切です。

方向性が見えたら ~施設集患の戦略~

施設集患の戦略としては、シンプルに大きく2つだと思います。

ひとつは、自医院で営業活動を行う
ひとつは、訪問歯科をサポートする会社に頼る


このいずれかです。
いずれにしても「直接の営業活動」という能動的な働きかけなしでは獲得には結びつかないと思います。
中途半端な広告やホームページでのPRではおそらく効果は得られないでしょう。


昔は、訪問歯科が入っていない施設もめずらしくありませんでした。
がしかし、口腔ケアなどへの意識の高まりや訪問歯科を行う歯科医院が増えたことなどもあり、どこの施設にも既存の訪問歯科が来ていることが多く、以前ほど簡単に獲得できなくなっているようです。

そういった状況を考えると、自医院での営業活動ということもかなりハードルは高いように思えます。
となると、専門のサポート会社に頼むよりないと思いますが、費用もかなり高いと聞きます。
施設訪問の算定で得られる利益を考え、費用に見合ったリターンが得られるかは慎重に検討したいところです。


方向性が見えたら ~在宅集患の戦略~

在宅に特化して集患の取り組みを行ってきた弊社が得た、在宅集患についての考えはここにまとめてあります。

在宅集患は単純には行きません。
この記事に書いたように、これをやっておけば間違いないという手段はなく、圧倒的に地味で地道な取り組みです。

ですが、1つの依頼をきっかけに広がっていくのが在宅の訪問歯科。
一気には増えることはないですが、努力はかならず実を結ぶはずです。

在宅で介護を受けられている方で、歯科医院への通院にお困りの方はまだまだたくさんいらっしゃいます。
在宅をもっと積極的に増やしていこうという医院が増えれば、弊社としてもうれしいです。


弊社の在宅訪問の知見や経験をもとに開発したシステム 訪問歯科総合支援ツール HomeClinic を提供しています。
在宅集患の仕組みも提供しているツールで、訪問歯科運営のインフラ基盤としてお役に立てると考えていますので、もしよろしければ下のバナーからご案内ページをご覧ください。

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